山 行 報 告
2015/7 / 12     神奈川岳連救急法講習会・
             山岳スポーツセンター
    
   
メンバ:W大高、内山 記録:大高ぁ

【内  容】

 救急講習会に長く参加していてここ数年何か物足りなさを感じ始めていた。
 一つの答えは、事故を未然に防ぐ予防対策の欠如であった。
 事故が起きた時の対応に重点が置かれていたからだと思う。山屋自身が遭難対策を研究したから、そうなるのは当然であると思う。
 ところが、ここ数年から事故を未然に防ぐ対策が重視されてきて、事故を起こさないためにはどのようにすればよいのかという対策が取られ、講習でも教え始められた。
 事故を起こさないための体力作りやウエアーなどの新技術製品、けがをしないための体力づくり、サプリメントによる体力維持、冬山における雪崩れに会わないための方法などがそれである。
 二つめの答えは、ヘリコプターの導入による事故後の救助スピードの革命的な早さ。
 救急車の発達やAEDの普及により街中で事故にあった患者が救われる数が増えているのと同じように、山岳救助におけるヘリコプターの導入は、数十時間から数日単位でかかった山岳救助を、数十分から数時間単位に縮めることが出来るようになった。

 今回の救急法講習会は、山岳医療研究の実践をしている日本登山医学会の医師が講師として招かれ、さまざまな事故現場を想定した実践講習となった。まさに革命的スピードに対応した救急対応技術と山特有の救急技術を伝える講習会であった。
 脈による内臓損傷や内出血の判断や、消防では以前から言われていたが、墜落など高エネルギー事故の多い山岳事故では、まず脊髄損傷を疑い保護することなど、従来受けていた赤十字の救急講習とは違った対応など、得るものは多かった。

 もやもやしていた最近の山岳レスキューに対する気持ちを解消する答えの一つとなった講習会であった。